効果があろうがなかろうが批判されるべきものは批判される
追記
タイトルは昨日もリンク張ったtikani_nemuru_Mさんのエントリのわたしの解釈です。
blupyさんのコメントへの返答
昨日のエントリの返答として頂いたblupyさんのコメント( http://d.hatena.ne.jp/genb/20090223/1235391928#c1235408382 )へ返答。
引用:
「ニセ科学で死ぬ人がいるというのはニセ科学批判のメリット」だなんて誰も主張していない」というのは、直接的にはそのとおりだけど、文脈を無視している。これは「ニセ科学批判は効果があやしい」、というcircledさんの議論に対し地下猫さんが「人が死ぬ」「間違いを指摘して何が悪い」とずれが対応をしているのを皮肉ったもの。
彼が「人が死ぬのを助けることができる」といった話をするなら、議論がかみ合ってるけどそういう話はしてない。で、私のエントリは、それがたぶんできないだろう、というもの。
「文脈を無視している」って書いてない文脈は読み取れないというのは置いておいて…
ほんとにずれているのでしょうか。噛み合ってないのでしょうか。id:michiakiさんの以下の記載に関しては完全に正面から対応している形になっていると思います。
引用:
有効かどうかもよくわかっていないものを、彼らは“いいと信じて”やっている、ということなのだろうか? もしそうだとしたら、それって、彼らが批判するものたち(たとえばホメオパシー)と、その点じゃたいして変わらなくね?って思ったんだった。
また当のご本人(id:tikani_nemuru_Mさん)に確認してみないとわからないけれど、確かにcircledさんの意見に関しては正面からぶつかっていないようにも読めます。ニセ科学批判に効果が無いという主張に対して、効果があるという意見をぶつけているわけではないですから。しかしわたしの見方は「正面ではなく横っ面をはたいた」です。
引用:
で、それがいくら正しいと証明出来たからと言って、相手の心は変わるのかい?ってところが問題。
引用:
それで結局、ニセ科学批判って効果あったんだっけ?
引用:
……と、ふと思ったんだった。それ、ほんとに有効なんだっけか、と。
これに一番直接的に対応している箇所は↓であると思います。
引用:
そして、間違いや嘘をベースにカネ儲けしたり自分たちの価値観を押しつけたりしたがる連中がいて、そいつらが批判されるのは当然なのですにゃ。もちろん、どんなに批判しても、馬鹿もウソツキも人殺しもいなくはならにゃーよ。
確かに「効果はあるにゃ」という反応ではないです。tikani_nemuru_Mさんは効果に関しては「もちろん、どんなに批判しても、馬鹿もウソツキも人殺しもいなくはならにゃーよ。」と言っている*1。それと同時に「批判されるのは当然」としています。
3エントリではどれも効果ということ点からニセ科学批判に疑問を呈しているわけですが、効果がどうであれtikani_nemuru_Mさんが問題にしているようなニセ科学は批判されるのが当然という指摘だと理解したのです。まぁわたしの勝手な解釈なので実は tikani_nemuru_M さんが後から「申し訳にゃー。全然噛み合ってなかったにゃー」と仰る可能性もありますがわたしはそう思わんかったという話です。
引用:
>「効果の確証が無い」などと主張するのはいったいどういった目的なのか。
私と地下猫さんの議論の噛み合わなさ(藁人形たたき感)を批判するのなら、彼とcircledさんの噛み合わなさ(藁人形たたき感)も批判すべきだろう。ということをパフォーマティブに示したまで。
噛み合っていないと思ったらそのように書きますが上記の通りそうは思えませんでした。
touhou_huhai さんへの返答
次は touhou_huhai さんのコメント( http://d.hatena.ne.jp/genb/20090223/1235391927#c1235407375 )への返答。
…って言ってもコメントは空想物語が書かれているだけですので、頂いているTB( http://d.hatena.ne.jp/touhou_huhai/20090224 )を参考にしながら……
引用:
「主張が可能」と「主張が妥当」は別物
http://d.hatena.ne.jp/genb/20090223/1235391927
とか読むとカワユーイとか思っちゃうけど、そうも言ってられなくて。
てか、多分この人は身内が被害に遭う事態なんて想像もしてないんだろうけどね…。
上記記事のコメント欄に私が書いたような小話は、実際はもっと巧妙にやられてる。あんなオチャラケをやるニセ科学の商売人はいない(違法性をすぐ追求されるようなマネはしない)。実際は言質をとられないようにしながら、正規の医療の問題点を突つきつつ、あやしげな治療の効果を訴える。悪徳商法マニアックス当たりに事例があるといいんだけど。
えー、なんか議論が急に進んでない?
あくまでもわたしのエントリは『議論の相手が「ニセ科学批判をすることでニセ科学による治療を受けられなかった。そのために人が死んだ」と言ってきたらなんと返すか』というだけの話。それであれば「信仰治療で治ったことを証明せよ」でそれ以上は必要ない。対象がニセ科学である限り絶対に「信仰治療で治ったことを証明せよ」は持ち出せないのだから。
ちなみに書いてあるストーリーじゃ全然証明できてないのはわかってるんですよね?
>てか、多分この人は身内が被害に遭う事態なんて想像もしてないんだろうけどね…。
そもそも「信者の考えを変える」という点に関して議論してないんです。また身内がその手の被害にあう場合の事を想像し、常々そうならないように予防線を張っていますよ*2。勝手な想像をされているようですが大きく間違っております。
tikani_nemuru_Mさんの所のコメントでは単に「こういう風に主張されるかも」という空想が書かれてるだけ。であるから「こう返せばその主張は切り崩せる」という事を書いた。それがいつのまにやら「それを見ている観衆」や「身内が信者になったら」という話に切り替わったうえで上記のような揶揄をされている。
その記事の中で勝手な想像して「カワユーイ」とか「てか、多分この人は身内が被害に遭う事態なんて想像もしてないんだろうけどね…。」とか書かれてもなぁ。「カワユーイ」反論しかしなかったのは元になった空想が「カワユーイ」空想だったから。
違った前提においては当然違ったアプローチが必要だなんて百も承知。
ニセ科学批判を陳腐化してるのはどっちかといえば、メタな議論をして上手いこと言えたつもりでメタメタになってるニセ科学批判批判だと思います。
新たに頂いたコメント( http://d.hatena.ne.jp/genb/20090223/1235391927#c1235454643 )に書かれているような問題意識に関しては同意。
わたしも以前、ニセ科学ではないですがマルチに引っかかりそうな友人が居て困った経験があります。相手の「(友人を誘った友人を指して)あいつは信用できるから」という言葉は肯定し、一緒にセミナーに参加し、友人の「(友人を誘った友人)は信用できるから」という言葉には反論せず、とにかく「何が間違っているか」「どういう問題を孕んでいるか」そして「わたしは君も君の友人も救いたいのである」という事を時間をかけて説明しました。まだ深入りしていなかった事と、友人との信頼関係のおかげでその時は大事には至りませんでした。
しかしあのセミナーの雰囲気は独特だったなぁ。